HACCP

- 歴史について -

MOTTRAは最高品質のブラックキャビアの生産を唯一の目標に掲げて、2002年に創業を開始しました。
それから3年間を最初の製品の生産のために費やしましたが、当初の製品はブラックキャビアと称するには程遠いものでした。結果的にMOTTRA製品として市場に出るようになるまでに、6年の歳月を費やしました。
その歳月を経て、MOTTRAは絶滅危惧種の保護と、環境に優しい企業であると世間から認知され、成功を収めました。MOTTRAはロシアとラトビアの合弁会社です。このため様々なロシアの財源が利用されています。ロシアから専門家を招いたり、キャビアに関わる技術もロシアからラトビアへ持ち込まれました。
そして最終的に、私たちの技術は世界のどの工場にも類を見ないものとなりました。皆様がご存知の通り、成功への一番重要な事は人材育成である、と言われています。私たちは多くの時間を従業員の育成に充てました。2007年には本格的にキャビアの生産を開始し、"この分野における最高の教育を受けた者による製品である"とロシアで認知されるようになりました。
そしてその経験と知識を共有するために、他国からラトビアへ専門家が招かれ、地元の専門家たちと連携して素晴らしい実績を収めました。この長年に渡る研究が、妥協のない最高品質の基準と気品を飛躍させるきっかけとなり、結果として最高品質の製品を完成する事に至りました。



- チョウザメの歴史 -

チョウザメは遺存種(かつて繁栄していたが現在は個体数が少ない生物)の魚です。チョウザメの先祖は紀元前250億年~200億年前の三畳紀には既に存在していたと化石研究により明らかにされています。
これは全水生生物の内の96%、地上で暮らす脊椎動物の70%が絶滅したと言われているペルム紀末の大量絶滅が起きた直後と重なりますが、生物の個体数が少ない絶滅後の環境はチョウザメの繁栄にとっては好都合であったと言われています。
チョウザメは現存する最も古い魚類の一種となりますが、生体進化があまり起こらない個体群でもあり、当時から生態的特徴がほぼ変わっていない事から生きた化石とも呼ばれています。
この頃地球には大きな赤道の近くに大きな陸地があるだけで他は海でした。これがジュラ紀の終盤2つに割れ、それぞれ北と南に分かれ始めます。チョウザメは冷たい水で生息する生き物ですが、この時北半球へと分かれていった大陸と共に生息地を移していき、北半球でのみ確認されている事は決して偶然ではないでしょう。
チョウザメは鮭と同じ様に川で生まれ、海で暮らし、産卵の際にまた川へ戻っていく習性を持つ遡河魚です。中にはスターレットの様に海へ出ることがなく淡水のみを生息地とするチョウザメも存在しますが、これらも例外的に遡河魚の一種と分類されています。またチョウザメの場合産卵を終えた親がそこで生命を終えることなく、再び海へと戻る事から一生のうちの産卵回数が1度ではない特徴もあります。



- キャビアの歴史 -

キャビアが英語でそう呼ばれ始めたのは16世紀からと言われていますが、その言葉の歴史は非常に長いものです。
イタリア語の”caviale/caviaro” 、フランス語の”caviar”、ギリシャ語の”khaviari”、トルコ語の”havyar/khaviar”等、諸説語源はありますが、その大元を辿ると、「力の源」という意味を持つ”Chav-Jar”というペルシア語が時代の流れと共に変化していき、「卵」を指す言葉として使われた”khaya/khayak”という単語に変化していき、派生していったと言われています。
チョウザメと人類との関係は更に長く、エジプトにあるギザの大ピラミッドが建造されていた時代には、既に人類によって捕獲されていた事が分かっています。
チョウザメに初めて名前をつけた人物は、14世紀当時のイングランド王エドワード二世でした。エドワード二世が治める領地内の海岸で彼に仕える盟主がチョウザメを発見した事を報告すると、彼はクジラやイルカ等と共に、チョウザメを”聖なる魚”として扱う様命じた事がはじまりと言われています。
“聖なる魚”として扱われたチョウザメの卵であるキャビアが、英語でキャビアと呼ばれだしたのは16世紀頃であると冒頭で触れましたが、その頃にはキャビアは既に贅沢の対象として扱われていたと推測されています。
1600年頃書かれたとされているシェイクスピアによる有名な戯曲”ハムレット”の第二幕には主人公ハムレットが劇中に登場する役者の芝居を評論する際
“私は一度君が語るのを聞いているのだ、演じられたことはなかったが、いや、確か一度舞台にのったかな、しかし大衆受けはしなかったものだ。キャビアの味がわからなかったのさ。”
と、主人公ハムレットにとって素晴らしく映った芝居が、大衆受けしなかった事に対して「凡人にはキャビアの味わいは理解できない」と例え、
その更に40年前の1564年にイタリアのルネサンス期の料理人であるクリストフォロ・ディ・メッシスブーゴによって執筆された料理本には現存する中でキャビアが使用されている最古のレシピが記載されています。
人類によるキャビアの消費が大きくなりはじめたのは19世紀後半頃からと言われています。当時北アメリカの水質と相性がよくチョウザメは生息数を伸ばしていましたが、ビールの御供として塩分の高い食品が好まれていた当時のアメリカ人にとってそれは好都合でした。
加えて1873年にドイツ系の移民であるヘンリー・シャハトを中心に欧州を相手にしたキャビアの輸出商売を始めます。1ポンド辺り1ドルという価格設定は少し高価ではないかという懸念が当初ありましたが、結果的にアメリカは世界最大のキャビアの輸出国であった時代がありました。
最もロシア産のキャビアの方がより高価で好ましいという理由から、ヨーロッパに向けて輸出されたアメリカ産キャビアをそのままアメリカに持ち帰る結果に終わる事も多々ありました。しかし1900年にペンシルベニア州からの発表によると、当時ヨーロッパで販売されていたロシア産キャビアの内およそ90%が実はアメリカ産のキャビアであったと伝えられています。
20世紀に入りアメリカと西ヨーロッパとの関係が悪化するまでこのアメリカ産キャビアブームは続きましたが、アメリカ国内でチョウザメは絶滅寸前となり、偽のロシア産キャビアが出回ることはなくなりましたが、同時にキャビアの価格高騰の要因となりました。



- キャビアの持つ栄養素と人体に与える影響について -

一般的に魚卵は魚肉に比べミネラルやマグネシウム、カルシウム等、人類にとって必要な栄養素が豊富に含まれています。
ブラックキャビアもその例に漏れず、豊富なビタミンA、ビタミンD、オメガ3脂肪酸が含まれており、これらの栄養素は、情報伝達物質アセチルコニンの分泌を促進する事で、記憶力低下やうつ病の予防に効果があると言われています。
加えてアルギニン等のアミノ酸も豊富に含んでおり、これが怪我からの回復を早めてくれる効果がある他、お酒を飲んだ際、体がアルコールを速やかに分解する能力を高めてくれる事で二日酔いの予防や肝臓への負担軽減を助けます。
アルギニンには他にも血行促進や血圧低下の効果があり、また性力増強の効果がある自然食品の一つと古くから信じられてきました。
ヨーロッパ各国で過去にキャビアの価格高騰と出生率の低下の時期が重なった事があり、それが偶然かどうかはわかりませんが、これらの栄養素が明らかになる以前から、キャビアはお酒の御供として多くの人々から愛され、他者の関心を集めたい場面、特に異性の気を惹きたい場面にキャビアが古くから重宝されてきた事は決して偶然ではないと言えるのではないでしょうか。

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